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self memo

高機能SNS vs 簡単SNS (MySpace vs mixi)

今日(昨日)はSNS系のエントリーがとても多く感じた。

Microsoftのスピンオフ、Wallopがスタート
SNSのFacebook、学生向けから一般公開へ
MixiはSNSの黒船にどう迎え撃つのか
ライブドア有賀氏、新ブログサービス「PRAC」で新たなユーザー層開拓を
コミュニケーションサービスの成功要素
ミクシィ襲う1億人の黒船

これらの記事を読み比べてみると、今後のSNSに関して2つの見解が存在するように思える。

1つは、今後はSNSに対するユーザーの要求が高まっていき、高機能になっていくだろうという考え。

MixiはSNSの黒船にどう迎え撃つのか
どう考えても、現在のSNSというカタチで利用者がこれまでのように広がっていくとはとうてい思えません。ビジネスモデルも弱いですね。新しいカタチや姿、新しい価値、新しい発想が必要だと感じるのです。コミュニティをつくって日記を見せ合い、掲示板をやっているというだけではやがて飽きてきます。
こういったサイトでは会員数を誇らしく掲げているのですが、案外曲者で、実際に高い頻度で利用しているアクティブ・ユーザー数がどれぐらい増加しているのでしょうか。盛り上げっている人たちもいるでしょうが、少なくとも周辺の若い人たちから聞こえてくるのはSNSには飽きたとか、友達の最終ログインを見てもどんどん頻度が落ちてきているという話ばかりです。
そういう点では、MySpaceにはブログもあれば、動画サイトもあれば、音楽サイトも、写真のサイトも、フォーラムもなんでもあります。それが後発でありながら、アメリカでブレークした理由だと思いますが、きっとそのあたりはMixiもわかっているので、ニュースとか、アルバム機能、また音楽ダウンロードとかの機能を追加してきたのだと思います。


こちらの部類としては、MySpaceやWallopだろう。

一方2つ目の考えは、機能を削減してでも簡単なサービスにする事が成功の鍵との考えである。

コミュニケーションサービスの成功要素
1.単純さ、簡単さ
インターネットの裾野はまだまだ広がり続けており、インターネット初心者層もさらに増加している。さらに、その初心者層も、インターネットを使い続けていれば上級者になれるかといえばそうでもなく、「永遠の初心者」であり続けるユーザーも存在する。

実際にサービスを提供する中での実感だが、「ネットでの純粋なコミュニケーション」を求める層というのは、この初心者層から脱せないユーザーの割合が、他のサービスに比べて多いように見える。

そういったターゲットを取り込むためには、便利だけど複雑な機能よりも、どういうサービスなのかが単純に分かり、簡単に利用できるサービスであることが、まず求められる要素だろう。


こちらの部類としては、mixiやPRACだろうか。
※PRACはブログサービスであり、SNSでは無いのだろうけど…

自分はどちらの考えに賛成かというと、後者である。
※いかにユーザーを集めるのかという意味で

初めてWallopを使った時の感動は覚えている。だが、以降全く使っていない。
周りで使っている人なんて、見た事ない。

Web2.0の考え方である"Rich User Experiences"を否定してしまうのかもしれないが、一般的なユーザーはそれほど機能には拘っていない。

自分の周りにいる(職場以外の)友人を見てみると、PCを使ってやる事と言えば
- IEでYahoo!を見る、mixiを使う
- Outlookでたまにメールする
ぐらいである。
FireFoxいいよー、Becky!使いやすいよー、Gメール便利だよーと言っても、彼らの心には響かない。
それはなぜか。
IEと比べたFireFoxの優位勢(pluginとか)、Outlookと比べたBecky!やGメールの便利さの部分など、大多数の一般ユーザーにとってはどうでも良い事なのであろう。

ブラウザはブラウジングできればそれで十分。
メーラーはメールの送受信ができればそれで十分。
そしてSNSも、人とコミュニケーションが取れればそれで十分なのだ。

MySpaceがmixiとの差別化をいくら進めたところで、基本的なSNS機能をmixiが備えている限り、乗り換える必要は無いのである。
今のmixiユーザーのほとんどはfriendsterやorkut、Greeやキヌガサよりもmixiが優れていると思ってmixiを使っているのではなく、mixiしか知らないからmixiを使っているのだ。

先日のエントリーで紹介させて頂いた「グーグル・アマゾン化する社会」という本の大きなテーマの一つも"一極集中現象"である。

mixiなんてまさしくそれだ。
簡単に言えば、"なぜmixi使っているの?"と聞かれて"皆が使ってるから"と答える事である。

人が使えば使うほど便利になっていくサービス、まさにWeb2.0のキーワードである"participation"だ。

SNSの楽しみの一つとして、思わぬ旧友との再会があるかと思うが、これこそ皆が使っているサービスだからこそ実現できる事だろう。

また皆が使っているサービスだからこそ、そのサービス内で一定の地位を築く事に意味がある。
mixi内でハブとなっているような人物が、一斉に他のSNSに移動すれば、大逆転も起こりえるが、せっかく築いた地位や関係をチャラにしてまで、果たして他のSNSに移動するだろうか。

自分にとってあまり居心地の良いものではないmixiではあるが、圧倒的有利な状況を作り上げている事は間違い無い。
by aratafuji | 2006-09-27 02:09 | レポート