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『基礎から学ぶチーム開発の成功法則』を読んで

著者の渡辺龍司さん経由で献本してもらい、『基礎から学ぶチーム開発の成功法則』を読んでみた。
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結論から言うと、この本は自分的に大ヒットだった。以下に当てはまる人達にもぜひ読んでほしい。
・エンジニア出身ではないプロマネやディレクター
・プロマネに話が通じなくて困ってるエンジニア
・これからチーム開発を始める新人エンジニア
・私と一緒にアジャイル開発導入を進めてみて何かしっくり来なかった人全て

"はじめに"の中で、以下のような記述がある。
本書の内容は、「スクラムを使おう!」「アジャイルは素晴らしいので即導入だ!」といった趣旨ではありません。スクラムマスターやアジャイル開発で実績を積んでいる読者が対象ではなく、スクラムを導入してみたけどうまくいかなくて、チーム開発手法にはアレルギー的な反応を示すなど、チーム開発導入の前段階で躓いているチームメンバーに対して、まずは基礎部分をしっかり固めましょう!と考えて、本書を執筆しています。
私自身、「スクラムを使おう!」「アジャイルは素晴らしいので即導入だ!」的なスタンスで何度も導入にチャレンジしてきており、その中ではうまくいったケースもあれば、うまくいかなかったケースも多々ある。
うまくいかなかった時のふりかえりでは、以下のProblemがよく上がっていた。
・アジャイル開発のマインド、スクラムの知識不足

そのProblemに対して、以下のようなTryを実施していた。
・最初にアジャイル開発の歴史やマインド、プラクティスに関する勉強会の実施
・実際にアジャイル開発を体験できるようなワークショップの開催

このようなアプローチは、チーム開発経験豊富かつアジャイル開発未経験なエンジニアには正しいアプローチだったと考えている。しかしながら、チーム開発の経験が浅いエンジニアや非エンジニアに対しては必ずしも正しいアプローチでは無かったのかもしれない。この本を読んで、その事に気づいた。

私自身、(試)守破離という考えを好んでおり、まずはスクラムのプラクティスを自分なりに試し、その後に厳密な"守"のフェーズを経れば、自ずとアジャイル開発に対する理解が深まると考えていた。私自身、そのようなステップで理解を深めてきたからだ。
けれどもそれでうまくいっていたのは、事前にうまくいかなかったチーム開発の経験があったからこそだろう。チーム開発の経験が浅いエンジニアは、そもそも今取り組もうとしているアジャイル開発手法との比較対象が無いので、何が利点なのかなどがしっくりきていなかったのではないだろうか。

チーム開発の経験が浅いエンジニアや非エンジニアにはまずこの本を読んでもらい、いきなりアジャイル開発を導入するのではなく、まずはこの本に書いてあるような基礎的なチーム開発から始め、ある程度経験を積んだ後に必要があればアジャイル開発の本格導入に進んでいくべきだった。小規模のプロジェクトであれば、この本に書いてある内容だけで十分かもしれない。

そんな事を考えながらFacebookで色々とつぶやいていたら、営業職の同僚や、昨年まで出向していたベトナム開発拠点のマネージャー等複数の人が興味持って買ってくれたようだ。まさに嬉しい限りであり、今後の社内の変化が楽しみでもある。

それらつぶやきを以下に転載してみる。
今振り返ってみても、大変学びの多い本だった。
このような機会を頂いた、著者の渡辺龍司さん、編集の丸山弘詩さんには大変感謝している。


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by aratafuji | 2017-01-10 19:27 | レポート

"ウェブ時代 5つの定理"の対象読者

ウェブ時代 5つの定理を読んだ。

自分探しが止まらないを読んでフラストレーションが溜まっていた私は、いかにもな「自己啓発書」と思われる本書を読めば、ノリノリな気持ちになれると信じていた。
けれど、ノリノリになれなかった…。

なぜだろうか?
結論からいえば、私は本書の対象読者では無かったからであろう。

私が思う、本書の対象読者は以下の何れかに該当し、かつ「働く充実感」を得られていない者だ。
- 才能溢れるAクラスの技術者
- 豊富な経験を積んでいる者
- 大金持ち

残念ながら、私は上記対象に該当しない。

まえがきには以下の記述がある。
現代社会で働くすべての人が、仕事に活路を見出していくうえで座右に置き、仕事のさまざまな局面で手に取り、この金言を何度も繰り返し実際に使えること、生きるヒントを得られること、仕事に活かせること。それを、本書は目指しました。

これを読んでた頃は、ワクワクだった。
なぜならば、私は現代社会で働いている。

期待に胸膨らませて挑んだ第一の金言は、以下だ。

もしフラストレーションが報酬よりも大きかったら、
そして、失敗の恐れよりも欲のほうが大きかったら、
そして、新しい技術や製品がつくれるのなら、始めよ。
<以下略>
-- ゴードン・ベル

注目すべきは、これら3つの条件式が、"and"な点だ。
1番目、2番目の条件は主観的な条件なので、何とかなる。
さらっと書いてある3番目の条件、これは厳しい…。

やや動揺しつつも読み進める。

Aクラスの人は、Aクラスの人と一緒に仕事をしたがる。
Bクラスの人は、Cクラスの人を採用したがる。
-- シリコンバレーの格言

上記した通り、私はAクラスの人ではない。
決して、"採用面接を受けるならば、Bクラスの面接官がいそうなところに行け"と言いたいわけではないところをみると、この格言から何を学べというのだ。
Aクラスでなくとも、"Aクラスの人は、Aクラスの人と一緒に仕事をしたがる。"事ぐらい分かる。
サイボウズラボの人の記事を読むと、そんな甘いなものではないのかもしれないけど…。

その後、シリコンバレーやGoogleに、世界中から「最高に優れた技術頭脳」が集まっている様を表す金言?が続く。
そんな事も知っている。
知りたい事は、「最高に優れた技術頭脳」を持っていない私はどうするべきかなのだ。

P.191~192にかけては、boldでさらに追い討ちをかけられる。

第4定理までで、私は本書が対象とする技術者では無い事を思い知らされた。

そして、第5定理の"大人の流儀"。
ここで定義されている"大人"とは、"十分な経験を積んだ者"、"投資する余裕のある大金持ち"ではないだろうか。

こちらも前述した通り、私は該当しない。

ページを読み進める度に、今までの人生で一体自分は何をしてきたんだろうか、というような後悔の念だけが強まる。

最後の最後で、著者から私のような者に向けられたと思われる記述が現れる。
それは、以下の格言を受けてのものだ。
自分がやらない限り世に起こらないことを私はやる。
-- ビル・ジョイ


しかし、この言葉はそんな一握りの天才だけに許された言葉なのでしょうか。
私はそうは思いません。
どれほどの数の人がいても、一人ひとりの個性や経験や環境はすべて異なります。さまざまな個性や志向性を組み合わせていけば、「自分がやらない限り世に起こらないことをする」ことは必ずできる。

ここまででケチョンケチョンにされてきた私に、もはやこの言葉は響かない。
そして、読了。

本書を読んだ事で、きっと私の人生は変わらないだろう。

これまでだって、それなりに努力してきた。
そして、これからもそれなりに努力し続ける。

本書に以下の記述がある。
個に徹底的に自由を与える。結果としての平等を求めるのではなく、すべての人にすべての情報があまねく与えられる環境整備をして、機会を均等に与えたい。インターネットとはそういうことを実現できるものなのだ、

機会が平等に与えられている事も、知っている。
与えられた機会を生かせていないのは、自分のスキルの問題だ。

"今のままの君でいいよ"なんて欠片も思わせてくれなかった事は、感謝するべきだろう。
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by aratafuji | 2008-03-05 00:52 | レポート

"自分探しが止まらない"の落とし所

自分探しが止まらないを読んだ。
とても読みやすく、一気に読めてしまった。
Danさんや、「自己啓発書」が好きな人が述べているように、膨大な資料が提示されているのは確かだが、やはり"資料をまとめただけじゃない?"と思ってしまう。

著者は、まえがきの中で、以下のように述べている。
「自分探し」にハマりこまないためのヒントを示すところまで持っていきたい。

そして、そのヒントが以下である。
筆者は自己啓発セミナーや海外放浪など安易にポジティブ・シンキングに逃げ込む姿勢を批判してきたが、ポジティブ・シンキングそのものを否定しているわけではない。むしろ、こういう世の中を生きるために欠かせない武器こそ、「自分探し」に振り回されず、前向きに生きる姿勢であると信じている。
"ポジティブ・シンキング"と、"前向きに生きる姿勢"を同意と考えると、安易じゃないポジティブ・シンキングって何だ?ポジティブ・シンキングに至る過程が重要という事か?
散々事例を挙げた上での結論がこれだとすると、かなり残念である。

また、本書全体を通して感じるのは、著者の"カッコつけ"的な姿勢だ。
まるで甲子園(国立)を目指して練習に励む野球(サッカー)部員を嘲う帰宅部ヤンキーのような、本当は自分も何かに熱中したいのに、その対象を見つけられず、頑張っている人を茶化す事でしか自分の存在意義を示せないような…。
あとがきにもそのような記述がある。
僕の場合は運が良かったから職にありつけているだけだ。

頑張ったからではないのか?
汗水たらして努力したからこそ、今の著者があるのではないのか?

しかし、そのように書かざる得ない気持ちも分かる気がする。

"頑張って努力すれば、夢はきっとかなう"的な事を書いてしまうと、本書の中で散々嘲った"自己啓発本"になってしまう。

そういう意味で、本書の落とし所は大変難しい。

"海外行ったて、何も変わらない!現実逃避するな!現実を見ろ!お前に可能性なんて無い!"のような、思いっきりブルーな落とし所に持っていっても良かったかもしれない。
※中盤辺りまではそういう勢いを感じたのだが…

しかしながら、個人的には本書の中で"自分探し"とは対極な存在として挙げられていた三浦カズや野茂を"自分探し"の理想のゴール像として提示して欲しかった。

Danさんも書いている通り、嘲うべきは、"自分探し"をしている人ではなく、"決められない人"である。

三浦カズや野茂のように、"自分を探し"、"決め"、"突き進む"人達は、やっぱりカッコいい!
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by aratafuji | 2008-02-28 17:58 | レポート