self memo

<   2006年 09月 ( 4 )   > この月の画像一覧

楽天の分岐点

アンオフィシャルな楽天市場APIである"RakuAPI"というウェブサービスがあるらしい。

RakuAPI Version 0.9 - 楽天市場非公式ウェブサービス
楽天市場非公式ウェブサービス「RakuAPI」
RakuAPI

これに対して、楽天はどのような行動を取るだろうか。

1.何もしない
2.オフィシャルなAPIを公開する
3.HTMLの構成を変えたり、完全会員制にする等して、API経由でのアクセスを許可しない

外野の立場で考えれば、2の行動をとるべきだろう。

1の可能性が高い気もするが、その場合今後サイトの構成やデザインを変えた場合、意図しない非難を浴びる可能性もあり、動き辛くなってしまう。

3は論外だ。

楽天の優位性は、もはや集客能力だけではなかろうか。

良く言われている事だが、楽天にお金払って出店さえすれば安泰だなどという事は決して無い。
同じ目的のライバル達がひしめいている分、オープンな環境でECサイトを立ち上げるよりも逆に大変かもしれない。

商品を探している人の行動としても、まず楽天に行ってから商品を検索する人よりも、GoogleやYahoo!でブランド名や商品名を検索している人の方が圧倒的に多いだろう。

検索結果やリスティング広告に魅力的な楽天の商品がヒットした場合にユーザーはアクセスするだろうが、その商品が気に入らなかった場合は、ブラウザの戻るボタンを押して検索結果に戻るまでである。

もちろん、単独でECサイトを立ち上げるよりも、楽天に出店している方が検索結果の上位に表示されやすいという事はある。

てことは、楽天はSEO会社みたいなものか。

今一今後の楽天の方向性が分からなかったが、勝手APIが公開された事に対する出方を見る事によって、楽天の考え、方針が分かるかもしれない。

上で書いた1の"何もしない"は、決して現状維持ではなく、マイナスだ。
しつこいようだが、3は有り得ない。

この小さな出来事をきっかけに、楽天が思いっきりオープンなサービスに変身したとしたら、成功する可能性は十分にある。

Amazonとかも、楽天には今のままでいてくれと思ってるかも。
[PR]
by aratafuji | 2006-09-28 02:36 | レポート

高機能SNS vs 簡単SNS (MySpace vs mixi)

今日(昨日)はSNS系のエントリーがとても多く感じた。

Microsoftのスピンオフ、Wallopがスタート
SNSのFacebook、学生向けから一般公開へ
MixiはSNSの黒船にどう迎え撃つのか
ライブドア有賀氏、新ブログサービス「PRAC」で新たなユーザー層開拓を
コミュニケーションサービスの成功要素
ミクシィ襲う1億人の黒船

これらの記事を読み比べてみると、今後のSNSに関して2つの見解が存在するように思える。

1つは、今後はSNSに対するユーザーの要求が高まっていき、高機能になっていくだろうという考え。

MixiはSNSの黒船にどう迎え撃つのか
どう考えても、現在のSNSというカタチで利用者がこれまでのように広がっていくとはとうてい思えません。ビジネスモデルも弱いですね。新しいカタチや姿、新しい価値、新しい発想が必要だと感じるのです。コミュニティをつくって日記を見せ合い、掲示板をやっているというだけではやがて飽きてきます。
こういったサイトでは会員数を誇らしく掲げているのですが、案外曲者で、実際に高い頻度で利用しているアクティブ・ユーザー数がどれぐらい増加しているのでしょうか。盛り上げっている人たちもいるでしょうが、少なくとも周辺の若い人たちから聞こえてくるのはSNSには飽きたとか、友達の最終ログインを見てもどんどん頻度が落ちてきているという話ばかりです。
そういう点では、MySpaceにはブログもあれば、動画サイトもあれば、音楽サイトも、写真のサイトも、フォーラムもなんでもあります。それが後発でありながら、アメリカでブレークした理由だと思いますが、きっとそのあたりはMixiもわかっているので、ニュースとか、アルバム機能、また音楽ダウンロードとかの機能を追加してきたのだと思います。


こちらの部類としては、MySpaceやWallopだろう。

一方2つ目の考えは、機能を削減してでも簡単なサービスにする事が成功の鍵との考えである。

コミュニケーションサービスの成功要素
1.単純さ、簡単さ
インターネットの裾野はまだまだ広がり続けており、インターネット初心者層もさらに増加している。さらに、その初心者層も、インターネットを使い続けていれば上級者になれるかといえばそうでもなく、「永遠の初心者」であり続けるユーザーも存在する。

実際にサービスを提供する中での実感だが、「ネットでの純粋なコミュニケーション」を求める層というのは、この初心者層から脱せないユーザーの割合が、他のサービスに比べて多いように見える。

そういったターゲットを取り込むためには、便利だけど複雑な機能よりも、どういうサービスなのかが単純に分かり、簡単に利用できるサービスであることが、まず求められる要素だろう。


こちらの部類としては、mixiやPRACだろうか。
※PRACはブログサービスであり、SNSでは無いのだろうけど…

自分はどちらの考えに賛成かというと、後者である。
※いかにユーザーを集めるのかという意味で

初めてWallopを使った時の感動は覚えている。だが、以降全く使っていない。
周りで使っている人なんて、見た事ない。

Web2.0の考え方である"Rich User Experiences"を否定してしまうのかもしれないが、一般的なユーザーはそれほど機能には拘っていない。

自分の周りにいる(職場以外の)友人を見てみると、PCを使ってやる事と言えば
- IEでYahoo!を見る、mixiを使う
- Outlookでたまにメールする
ぐらいである。
FireFoxいいよー、Becky!使いやすいよー、Gメール便利だよーと言っても、彼らの心には響かない。
それはなぜか。
IEと比べたFireFoxの優位勢(pluginとか)、Outlookと比べたBecky!やGメールの便利さの部分など、大多数の一般ユーザーにとってはどうでも良い事なのであろう。

ブラウザはブラウジングできればそれで十分。
メーラーはメールの送受信ができればそれで十分。
そしてSNSも、人とコミュニケーションが取れればそれで十分なのだ。

MySpaceがmixiとの差別化をいくら進めたところで、基本的なSNS機能をmixiが備えている限り、乗り換える必要は無いのである。
今のmixiユーザーのほとんどはfriendsterやorkut、Greeやキヌガサよりもmixiが優れていると思ってmixiを使っているのではなく、mixiしか知らないからmixiを使っているのだ。

先日のエントリーで紹介させて頂いた「グーグル・アマゾン化する社会」という本の大きなテーマの一つも"一極集中現象"である。

mixiなんてまさしくそれだ。
簡単に言えば、"なぜmixi使っているの?"と聞かれて"皆が使ってるから"と答える事である。

人が使えば使うほど便利になっていくサービス、まさにWeb2.0のキーワードである"participation"だ。

SNSの楽しみの一つとして、思わぬ旧友との再会があるかと思うが、これこそ皆が使っているサービスだからこそ実現できる事だろう。

また皆が使っているサービスだからこそ、そのサービス内で一定の地位を築く事に意味がある。
mixi内でハブとなっているような人物が、一斉に他のSNSに移動すれば、大逆転も起こりえるが、せっかく築いた地位や関係をチャラにしてまで、果たして他のSNSに移動するだろうか。

自分にとってあまり居心地の良いものではないmixiではあるが、圧倒的有利な状況を作り上げている事は間違い無い。
[PR]
by aratafuji | 2006-09-27 02:09 | レポート

広告2.0[CGMとの融合]

以下のエントリーを読んだ。
広告2.0 次世代Web広告は業者間でユーザのWeb行動履歴がシェアされる!?

だが究極的には、どこのサイトでどんな行動をしたか、といった情報を多数のWebサービス企業間で共有し、『ヤフオクでトヨタ・カローラを落札してkakaku.comでカーステレオを価格順にソートしたユーザが、Googleでスピーカーについて検索すると、カローラ用カーステレオ用スピーカーのローエンドモデルを価格勝負で販売している業者の広告が出る』といったことが実現されるべきではなかろうか。


うーん、素晴らしい。
業界標準でクッキーのフォーマットとかを統一できたら、BtoBでの情報の受け渡しは不要になり、以下のような懸念も無くなりそうだ。
※プライバシー問題はだめか…

プライバシー問題は勿論、ライバル業者に客が流れる危険性などもあり、政治的な難しさはあるものの、テクノロジー的難易度はそう高くないはずだ。


自分でも広告2.0を考えてみた。

2.0というからには、やはりWeb2.0系のキーワードを広告と絡めたいところである。
ロングテールはGoogleやAmazonが既に行ってるし、Flash広告をAjax広告に変えてもだから何だって感じだし、広告のマッシュアップってのもくどいなー。

ということで、CGMと広告を絡めて見る事にした。
※結論ありきだったので、正直上記のような葛藤は特に無い

まず、CGMと広告の関係というと、真っ先に浮かぶのが、

http://www.blogkoukoku.com/index.htm
http://www.blog-koukoku.com/
http://www.blogclip.jp/

のようなブログを使った広告が思い当たるが、これは個人的にはとても嫌悪感を覚えるビジネスモデルであり、とても今後拡大していくとは思えない感がある。


ではCGMと広告との理想の関係は何かと考えた場合、個人的には"広告をCGMでフィルタリングする"ではないだろうかと思った。

ネット企業の収益源として今後も広告は主流であり続けるだろうし、広告でもユーザーにとって有益な広告であれば立派なコンテンツになりえる。

現在は企業ブランドを保つため、企業自身がフィルタリングした広告をユーザーに届けているかと思うが、今後は一企業が広告をフィルタリングするのではなく、ユーザーがユーザー自身でフィルタリングを行う方向に進んでいくべきではないだろうか。

無数にあるコンテンツをCGMによってフィルタリングしているのがソーシャルブックマークやフォークソノミーであり、既にその有益性は実証されている。

Googleのアドワーズがクリック率を踏まえた上で広告の掲載順序を決めているという事でこの考えに近いかとも思うが、クリックという行動のみでユーザーの意見を汲み取るのには限界があるだろう。

もちろん技術力を駆使して、ユーザーの能動的な行動が無くても、無意識なユーザーの行動を元にユーザー毎にパーソナライズされた広告を表示する事も可能かと思うが、現状のネット業界で一企業が技術力で勝負に出るのは、得策だとは思えない。
※理想論は技術力で勝負に出るべきなのだろうが、現実的に一企業、一サイトがビジネスを行う上でという意味で

ではどのようなサービスが自分の考えに近いかといえば、やはりAmazonやアットコスメになるだろうか。
Amazonがレビューを元に売ろうとしているのは自社の商品だが、そこが他社の商品やサービスの広告に置き換わるイメージだ。

現状の広告業界の常識では、同業他社の広告を比較して並べるなど有り得ない事だろうし、お金を払って出稿した広告を評価されて喜ぶクライアントなどもいないだろうから、常識的に考えて実現は難しいのかもしれないが、常識的な範囲内でビジネスを考えていてもなかなか活路は見出せないのではないだろうか。

具体的な実装方法に関してだが、例えば最初に引用させて頂いたエントリー内に以下のような記述がある。

これまで私は、広告を出す業者=最低でも広告費分が原価に上乗せされている=高い=価格以外の面で付加価値を打ち出さざるをえない=最安値業者にはなりえない、という先入観を持っており、価格重視で買い物をする際には広告を出していない企業を如何に探し出すかで最安値に近い選択ができると考えていた。しかしながら、今回はたまたま"ネットプリント""オンラインプリント"といったキーワードの単価が安かった為か、ほぼ最安値と思われる業者が広告を発信していた。


このようなレビューを広告に付けるのである。
アフィリエイトや上記のブログ広告とは違い、レビュワーに利益は入らない、
アマゾン(のレビュー)やアットコスメのような、モデルである。

レビューを書いてもらうのが敷居が高いのであれば、タグでも良いだろう。

"ユーザーのRadical Trust(進歩的性善説)と集合知を利用した次世代広告モデル"
新聞やマスコミが飛び付きそうなキャッチフレーズである。

実装方法に関しては、もう少し考えてみなければ…。
[PR]
by aratafuji | 2006-09-25 23:25 | レポート

mixiの違和感と集団分極化、沈黙の螺旋

mixiに登録したのは2004年3月頃だったと思うので、登録してからそろそろ2年半が経とうとしているが、その間ほとんどmixiのサービスを使えていない。
※たまに友達の日記にコメントしたり、少しずつマイミクは増えていっているが…。

なぜ使わない(使えない)のか?

今までは以下のような理由だろうと、自分自身考えてた。

1."最近盛り上がってるけど、俺なんてサービス当初からユーザー登録してたから、今更って感じかなー"みたいなしょぼいプライド
2."最近落ち込んじゃって…"みたいなエントリに対して、"元気出せ!"と皆が口を揃える様な奇妙なまでの馴れ合い感に馴染めない

1に関しては、浪人した後に入学した大学で、"同じ年の奴が先輩面するようなサークルなんて入ってられねーよ"と考えたばかり、今一な大学生活を過ごした反省が未だに活かせていない。

2に関しても、表向きでは"あの馴れ合い感、気持ち悪い"と言いながらも、皆に元気付けてもらえて羨ましい、自分が"最近落ちてます"ってコメント書いたら、果たして俺のマイミク達は元気付けてくれるんだろーかという不安も正直ある。

そんなちっぽけな人間にはなりたくないと、何度か日記を書いてみようと思ったが、やはりやる気がでない。何か違和感がある。

最近読んだ「グーグル・アマゾン化する社会」という本で、何となくその違和感の正体が分かったような気がした。

その本に後半に登場する、"集団分極化"がそれである。
本の中で、"集団分極化"とは
ある集団内で議論をした際、その結論が中庸に落ち着くのではなく、先鋭化した極端な方向へと進むような現象である。
とある。
簡単に言えば、似た者通し集まってコミュニケーションを取っていると、その中での常識が皆にとっての常識と考えてしまうような事か。

mixiにどっぷりとつかっていない自分が、他人の日記のコメントを読んで感じる違和感は、その辺にあるのではないだろうか。

また、本の中には"沈黙の螺旋"というキーワードも出てくる。
自分の意見が優勢と認知した人は声高に発言し、劣勢と認知した人は孤立を恐れて沈黙する。その結果、優勢意見はより勢力を増し、劣勢意見はますます少数意見になる。

という事だ。

これもmixiのコミュニテイに当てはまる。
他人の日記でそれ違うだろ!って思っても、よほど自分の事を攻撃でも
されない限り同意もしないが反対もしない。

話しは変わるが、こんなエントリーを読んだ

ミクシィが2ちゃんねるに勝てないワケ
2chねらーとmixiユーザー。

この違いはなんだろなぁ?

何かが決定的に違う。いろいろ考えた。で、思った。

ネットの世界には2種類の人間がいる。

インターネットの力を信じる人間と、信じない人間だ。

知っている人間とまだ知らない人間、と言い換えた方が分かりやすいかもしれない。

ミクシィやってる人はまだまだネットの力を知らないと思う。

正の力も、負の力も。

<中略>

あとひとつ、ふと思ったこと。

本当にいいことっていうのは匿名でしかできないんじゃないかな?

実名だとどうしても偽善臭さを感じちゃうんだよね。

見返りを一切求めない、真の意味での奉仕っていうのは、匿名が前提にないと生まれない気がする。


このエントリでは、mixiユーザーのネットの経験の浅さ(ネットの力を知らない事)や、匿名と実名の違いという切り口から2chとmixiの違いを分析しており、もっともな意見だと思う。

自分は2chもたまに見てるだけーなので、よく分からんが、イメージとして2chには目立ちたがり屋が多いと感じている。

目立つためにはどうすれば良いか?
それは皆と違う意見を述べる事だろう。

皆と違う意見をネット上で述べるためには、ネットの力に対する理解が必要だ。

2chにも"集団分極化"や"沈黙の螺旋"は存在する。
スレッドによっては、反論しようものなら袋叩きに合う場合も多いだろう。

でも、多勢を利用して反論する者を袋叩きにしている者は、きっとmixiも心地よいに違いない。
そして、リアルな2chユーザーは、空気を読んだ上で他者との違いを表明し、一目置かれる存在となっているはずだ(と思う)。

「グーグル・アマゾン化する社会」の中で、著者は以下のように結んでいる。
一極集中的な思考を回避し、多様性を認知しつつ、主体性ある思考を貫けるのか。
新しい現代を生きるわたしたちに課せられた「群集の叡智」は、その真価を問われている。

mixiに対する違和感を今後も持ち続けられるかが、自分の中でのバロメーターかも。

ちなみにこの本はDanさんもお勧めでした。
[PR]
by aratafuji | 2006-09-25 01:26 | レポート